奈良は東大寺のお水取りが終わって関西に春がやってくる。

奈良の東大寺の年中行事に、東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)というものがあります。

東大寺二月堂の修二会(しゅにえ)は、天平勝宝4年(752)、東大寺開山良弁僧正(ろうべんそうじょう)の高弟、実忠和尚(じっちゅうかしょう)が創始されました。平成25年(2013)には1262回になるんですね。

修二会の正式名称は「十一面悔過(じゅういちめんけか)」と言う。十一面悔過とは、われわれが日常に犯しているさまざまな過ちを、二月堂の本尊である十一面観世音菩薩の宝前で、懺悔(さんげ)することを意味する。

修二会が創始された古代では、それは国家や万民のためになされる宗教行事を意味した。天災や疫病や反乱は国家の病気と考えられ、そうした病気を取り除いて、鎮護国家、天下泰安、風雨順時、五穀豊穣、万民快楽など、人々の幸福を願う行事とされた。

東大寺のながい歴史にあって、二度までもその大伽藍の大半が灰盤に帰してしまった時ですら、修二会だけは「不退の行法」として、1250有余年もの間一度も絶えることなく、連綿と今日に至るまで引き継がれてきたのである。

この法会は、現在では3月1日より2週間にわたって行われているが、もとは旧暦の2月1日から行われていたので、二月に修する法会という意味をこめて「修二会」と呼ばれるようになった。また二月堂の名もこのことに由来している。

行中の3月12日深夜(13日の午前1時半頃)には、「お水取り」といって、若狭井(わかさい)という井戸から観音さまにお供えする「お香水(おこうずい)」を汲み上げる儀式が行われる。また、この行を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)の道明かりとして、夜毎、大きな松明(たいまつ)に火がともされる。このため「修二会」は「お水取り」・「お松明」とも呼ばれるようになった。

12月16日(良弁僧正の命日)の朝、翌年の修二会を勤める練行衆(れんぎょうしゅう)と呼ばれる11名の僧侶が発表され、明けて2月20日より別火(べっか)と呼ばれる前行が始まり、3月1日からの本行に備える。そして3月1日から14日まで、二七ヶ日夜(二週間)の間、二月堂において修二会の本行が勤められる。

私は関西人ですので、「お水取りが終わると暖かくなる」とまわりのおばちゃんは言ってました。よく「暑さ寒さも彼岸まで」と言いますが、関西ではお水取りが春を告げる行事の一つになっていたんですね~。実際、暖かくなってきましたしね。

ちなみにお水取りはこんな感じで行われています。

壮大でしょ?このお水取り、毎年3/12の深夜に行われますので、今年はちょうど今夜行われます。ただし、大規模な交通規制がひかれますので自動車で東大寺に入ることはできません。また、周辺道路も決して広いとはいえず、近隣駐車場もそんなにある地域ではありません。行かれる方は公共交通機関をぜひご利用くださいね。

交通案内図を貼っておきます。
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ちなみに、ストロボを焚いての撮影は禁止されており、カメラを立てる三脚も、一人ひとつまでにしてください、と、協力を呼びかけられています。仏さんのまえでいざこざを起こしたり事故を起こしたりすればバチがあたりそうです。仏さんからのお言葉と思って指示に従いましょう。

また、お松明はお水取りの日だけではなく、3/1から3/14まで毎日行われています。お水取りとセットではありません。お水取りの日にしかお松明も見られないと思っている方が非常に多いようで、お水取りの日にお松明が見られない参拝者さんも多いようです。このお松明もおごそかでとても美しいですね。

最後に、あくまでお水取りは宗教行事です。観光行事ではありません。おごそかに行われている歴史と伝統ある行事です。お気楽に行くこのではなく、心を静めてお参りしましょう。

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